STARLITE CREATORS Vol.13クルマづくり特集 Vol.3安全に確実に!2024年問題を解決するスターライト式物流とは!?
ネット通販をよく利用する私は、物流の恩恵を受けている1人。当たり前のように「すぐに届く、壊れずに届く」モノたちは、工場や倉庫からどのように運ばれてくるんだろう?と、物流に興味を持った花岡です。というわけで今回は、スターライトの自動車向け製品の物流を手掛けるCREATORSにお話をお伺いしましょう!
(*インタビュー内容は2023年10月時点のものです。)
I.T約40年間、物流に従事している「自動車製品物流のスペシャリスト」。
M.Y約25年間、物流に従事。工場内外問わず動き回り、改善できるところを見逃さないCREATOR
送料に直結!?より多くの製品をトラックに積んで運べる理由とは
うわ~!ケースがたくさんありますね!大きなケースをこんなに高く積んで大丈夫なんですか?
M.Y:スターライトの製品のほとんどは車幅ほどの大きさなので、ケースサイズもとても大きいです。倉庫の広さは限られているので、ケースはできるだけ高く重ねます。みんな「こんなに高く積んで大丈夫?」とビックリされますが、ケースにいろんな工夫をしているので、地震が来てもびくともしないんですよ。例えば、ひとつひとつのケースの高さをできるだけ低くし安定させています。
I.T:ここのグリーンケースは全部同じサイズです。ケース内をアレンジすることで、どんな大きさの製品でも流用できます。ケースの種類を3分の1に減らしたことで、制作費用が抑えられました。
M.Y:ケース内のアレンジは、緩衝材の使い方を工夫するのがポイント。緩衝材はもともと製品を破損から守るためのものですが、過剰だとコストアップになるし、入れる製品が変わると廃棄となる懸念があるので、そのバランスを考えてカスタマイズしています。このとき、緩衝材の再利用や環境にやさしい素材を選ぶことも考えています。
また、グリーンケースのサイズはトラックの荷台に隙間なく積めるように設計していて、トラックの積載効率アップを実現しています。
I.T:積載効率アップは運送費の削減につながります。運送費はお客様負担なので、できるだけ減らしてあげたいですよね。ちなみに、一般的な積載効率はだいたい75%くらい。スターライトは、なんと90%です(ドヤ顔)。
ケースの工夫が運送費カットに繋がっているとは!ケースがミチミチに入った荷台…私がこっそり入り込む隙間もなさそうですね!笑
I.T:危ないから入っちゃダメよ。次を紹介するから、早くこっちへおいで(手招き)。
M.Y:さて、これが自慢のNewケース「グレーケース」です。
M.Y:サイズは数パターンあるけど、組み合わせると同じサイズになるんですよ。A3はA4が2枚分、A2はA4が4枚分と同じ考えです。製品にぴったりなケースを選べるから、グリーンケースより緩衝材を減らせるし、カスタマイズも楽なんです。あと、底面に工夫があって。レゴブロックのようにしっかりはまるので、いろいろなサイズのケースを組み合わせて重ねても、崩れにくくなってるんですよ。
I.T:トラックの荷台でいろんな積み方ができるから、グリーンケースよりも隙間ができにくくなって積載効率がさらにアップ。互い違いに積んでいるからケースが崩れて落ちることもない。ほら、だからこっちは落下防止用のベルトをしてないでしょ?さらには、すべて同じ素材のプラスチックでできていて金具もないから、リサイクルできる。よく考えているでしょ?(ドヤ顔)
お客様の生産効率をアップさせる!?オリジナル台車のヒミツとは
M.Y:実は、活躍しているのはケースだけではないんです。スターライトの工場内で使う台車に製品をのせて出荷・納品し、その台車のままお客様の生産ラインで使えるオリジナル台車もつくりました。
台車って…車輪がついてて手押しで荷物を運ぶ、あの台車のことですか?
M.Y:車輪がついているのは同じなんだけど、台の部分が全然違います。製品の出し入れがスムーズにできるように設計しているんです。
わぁお…私が会社でダンボールを運ぶ台車とは全然違いました。
梱包せず、この台車ごと出荷するってことですよね…?それはなぜ?
I.T:お客様はスターライトの製品を使ってモノづくりをしてるでしょ?だから、納品先であるお客様の生産現場で製品の入れ替え作業をなくして、製品がスムーズに取り出せるようになれば、生産効率が上がるんです。
M.Y:もともとは、うちの工場の物流改善でつくった台車でしたが、お客様も同じ悩みを抱えているのでは…?と、オリジナル台車での納品を提案したんです。
その台車にはどんな工夫をしているのですか?気になります!
I.T:まず、お客様の生産現場で製品の取出しがスムーズな高さに設計することはマスト。背の高い台車はたくさん運べるけど、あまり高くすると作業で困る人が出てくる。手が届かないとかの問題が起きたりね。
M.Y:次に重要なのは、いかにたくさんトラックに積めるか。作業高さを考慮して、背が低い台車を2段に積み重ねる仕様を考えたけれど、車輪や補助部品が無駄な高さを取ってしまい、運べる製品量が減るため断念。
そこで、製品が取りやすい高さかつ、積載量もギリギリいっぱいを攻めた『上にすき間なくケースが積み重ねられる台車』を設計しました。これは、さっき見せたグリーンケースやグレーケース(標準化)があったからこそ実現できたことです。
I.T:お客様の工場でも参考にしたいとおっしゃってくれて、ついさっき、図面をお渡ししたところなんですよ。どんな風に使ってくださるか楽しみですね。
運ぶだけでは終わらない!みんなでつくる「スターライト式物流」とは
オリジナル台車のように、お客様に喜んでいただいた事例って他にありますか?
M.Y:生産現場は部品の保管場所が限られているので、できるだけ在庫を抱えたくないんです。お客様だってきっとそう。だから私たちは、お客様の生産計画に合わせて、必要な製品を必要な数だけ納品しています。さらに、混流生産(1本の生産ラインで複数の車種を生産する)では、生産する自動車の順番に合わせて(同期して)納品する取り組みが進んでいます。これを計画順序というんですけど、スターライトはカウルグリル*で他社に先駆けて、この納品方法をスタートしました。
- カウルグリルについて詳しくは、 Vol.12「クルマづくり特集Vol.2自動車事故での被害を最小にする設計とは?矛盾する機能でもカタチにする開発設計のCREATORS」をご覧ください。
納品後にお客様が順番に並べる作業がなくなりますね!
M.Y:順番付けにかかっていたお客様の工数を削減できただけでなく、本当に必要な分だけ納品するので、お客様の管理スペースが半分でよくなりました。スターライトも、出荷用ケースが減らせるので、お互いに嬉しい結果となりました。でもこの納品方法では、梱包する順番を間違えるとお客様の生産ラインを止める可能性がある。これだけは絶対にあってはならないので、QRコードなどを活用して徹底的に管理しています。
物流の2024年問題、解決のポイントとは
これだけ輸送効率アップの工夫をしていたら「2024年問題」対策もバッチリですね!
I.T:いままでに紹介した内容以外だと、時短のために高速道路の積極的利用を進めています。一定速度で止まらず走れるので燃費も向上するし、CO₂の削減にもつながる。併せて、配車方法やルートも見直して、既定の労働時間内におさまるようにしています。
M.Y:今後は12メートルの貨物部分をけん引できるトレーラーを導入しようと考えています。輸送量が今の2倍以上になるはずです。
I.T:こうした活動は、私たちだけでなく運送業者さんとも議論し、お互いを尊重して進めていかないとうまくいかない。私たちの活動に共感してくれた2社の運送業者さんは、スターライト専用のトラックを用意して、製品を運んでくれています。この自社便対応は、うちの強みになっている。ありがたいですね。私たちがいろんな切り口からアプローチできるのは、一緒に悩み、議論する人たちがいてくれるから。社内外で仲間を増やし、新しいことをどんどんやってみる、これがこの仕事の醍醐味ですね。
M.Y:これからも、どんどん共創していきたい。仲間と一緒なら何でもできると思えてしまう。これって欲張りすぎですかね?笑
インタビューまとめ
インタビュー前、物流は「モノを運ぶだけ」と思っていました。全力でお詫びして訂正します。効率化やコスト削減のみならず、トラックや倉庫の機能のハイテク化など、今後も急成長が期待されるワクワクの世界でした!その発展を支えているのは、現場を想い、情熱を傾けるCREATORS。今後も、進化していくスターライト式物流から目が離せません!
お客さまとのパートナーシップで新しい共創を。
ぜひご相談ください。
スターライトは同じ志を持つ社内外の仲間とともに、輸送・生産効率アップに向けた取り組みを続けていきます。お気軽にご相談ください。