新開発・新サービス - 2026.06.04 ターボ圧縮機の効率向上を実現する樹脂製ラビリンスシールを開発―低熱線膨張樹脂材「ALP K03-406」による気密性と安定性の両立―

近年、石炭や石油に比べてCO₂排出量が少ないエネルギーとして、天然ガスの需要が増加しています。また、カーボンニュートラルの実現に向け、水素などの次世代エネルギーの活用や、二酸化炭素の回収・利用・貯留(CCUS)も進んでおり、これらのガスは高圧で充填し輸送・貯蔵されます。それに必要なガス圧縮機では、気密性が高く長寿命な「シール」が重要な役割を担っています。
このシールによって、しゅう動部の隙間(クリアランス)をいかに小さくできるかが、気密性を高めるうえで重要なポイントになります。しかし、従来の樹脂材料は熱線膨張係数※1が大きく、発熱を伴うしゅう動部では、あらかじめクリアランスを大きく確保しておく必要がありました。そのため、高い気密性が求められる用途では、樹脂材料に比べて熱線膨張係数が小さい(熱膨張しにくい)金属製のシールが選定されてきました。その一方で、金属製シールは、相手材への攻撃性や腐食などの課題がありました。
※1:熱線膨張係数=温度変化による膨張/収縮具合を示す数値(大きいほど膨張しやすい)

今回開発した低熱線膨張樹脂材「ALP K03-406」製のラビリンスシールは、金属製シールの中でも特に膨張しにくいステンレス鋼と同程度の熱線膨張係数を有しています。これにより、従来の金属製シールと同等の気密性が期待されます。
また、樹脂材料の特長である相手材(ローターやケーシングなど)への低攻撃性と耐腐食性を兼ね備えており、安定した運転と長寿命化も実現します。現在、ターボ圧縮機での実機評価に向けた検討を進めています。
スターライト工業は、これまでも圧縮機向けシールの開発を進めてきました。今回、新たに低熱線膨張樹脂材「ALP K03-406」製ラビリンスシールが加わることで、性能や使用環境に応じたシールの選択肢が広がります。今後も、圧縮機向けシール技術の開発を進め、次世代エネルギーインフラを支えていきます。
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